幸福偏執書庫

シアワセモノマニア(青波零也)の小説アーカイブ

虚構夢想

  • マザー・グースの長すぎる一夜

    目を覚ませばバーのカウンター。
    何も思い出せない「僕」はどうも見習いバーテンダーで、今宵限りはバーのマスターとして、お客様をもてなさねばならないらしい。
    カクテルの対価は――「あなたの物語」。
    幾重もの語りが織りなす、不思議な一夜の物語が始まる。
    2025年「文披31題」参加作品。執筆中。

  • 無名夜行

    『異界』。ここではないいずこか、無数に存在し得るといわれる並行世界。
    未知の領域を探査すべく選ばれたのは、刑の執行を待つ死刑囚Xであった。
    目に見えない命綱だけを頼りに『異界』に飛び込んでいくXと、彼を観察する「私」の実験と対話の日々を綴る連作短編集。

  • 無名夜行 三十夜話

    目には見えない命綱ひとつで『異界』へと潜っていく死刑囚X。
    今日も「私」はディスプレイを通して彼の視点を共有する。
    ……時には『異界』を垣間見、時には他愛のない言葉を交わす。
    Xと「私」の、特に名前のない日々を綴った短編連作。
    (綺想編纂館(朧) (@Fictionarys)様提供のお題を使用しています)

  • 無名夜行 三十一路

    『異界』。ここではないいずこか、無数に存在し得るといわれる平行世界。
    未知の世界を観測すべく選ばれたのは、刑の執行を待つ死刑囚Xであった。
    目に見えない命綱だけを頼りに『異界』に飛び込んでいくXと、彼を観察する「私」の実験と対話の日々、もしくは、三十一の忘れられない道行き。

  • 無名夜行 五人六葉

    『異界』。ここではないいずこか、無数に存在し得るといわれる並行世界。
    この国の片隅で、未知の世界を知る者たちによる『異界』探索プロジェクトが密やかに進んでいた。
    プロジェクトメンバーはリーダー、サブリーダー、エンジニア、ドクター、新人の五人、国からの監査官が一人、それから異界潜航サンプルが一人。
    そんな少数精鋭のプロジェクトは、今日もつつがなく、もしくはちょっとした事件とともに進んでいく。
    これは、歴史には語られることのないだろう彼らの、『異界』と彼ら自身にまつわる三十一の物語。
    ※綺想編纂館(朧)様( @Fictionarys )の2023年7月の企画『文披31題』の参加作品です。

  • 残響夜行

    『異界』。ここではないいずこか、無数に存在し得るといわれる並行世界。
    本来「あり得ざる」それを観測する異界研究者たちは、今日もそれぞれの姿勢で『異界』と向き合っている。
    『無名夜行』番外編、最初の異界潜航サンプルXが去った後の、プロジェクトメンバーたちの「残響」を描いた連作。

  • 時計うさぎの不在証明

    待盾警察署刑事課神秘対策係とは、「特異点都市」待盾にのみ存在する、「オカルト事件」専門の部署である。
    今日もオカルトの正体を暴くべく、生真面目猪突猛進娘・八束と強面スイーツ野郎・南雲が頑張る――かもしれないし、頑張らないかもしれない。きっと頑張らない。
    ゆるくてぬるい、コメディ風味のなんちゃってミステリ。

  • 甘味組曲

    「おかえりなさい、アキさん!」
    「ただいま、ナツ」
    お菓子が大好きな男アキと、そんなアキの作るお菓子が大好きな女ナツ。
    二人の日々は、いつだって甘く、柔らかく、そしてあたたかい。
    とあるカップルの、幸せについての物語。

  • アメガタリ

    山の奥のお屋敷には、旅の歪神が一人、記録者が一人。
    特別なことなど何もない、やわらかな雨の日。
    けれど、きっと、忘れることのない、雨の日。
    ある男と女のやり取りを綴る、現代ファンタジィ掌編連作。

  • 夏の青亭

    一九九九年、七月の終わり。俺は、空から落ちてきた蜻蛉を見た――。
    連続猟奇殺人事件とその関係者を追う「俺」の前に、度々現れる金髪碧眼の自称『元神様』、小林巽。果たして、奴は何を知っているのか。そして俺は、一体「何」を追っているのか。
    何もかもわからないまま、俺はただ、真夏の空の下を彷徨い続ける。
    これは、ある事件に「関われなかった」男たちの、五つの夏の物語。

  • 迷走探偵秋谷静

    チェシャー・キャットの笑みを口元に、ジムノペディのテンポで世界を渡る。
    マイペースな私立探偵、秋谷静の周囲は、本人が望む望まざるに関わらず奇怪にして不条理な事件に満ちている。
    秋谷静とその周囲が織り成す、ミステリ風味の現代SFファンタジー連作。

  • 遠雷と白昼夢

    「最後に、笑っていられればいいって思うよ」
    『殺人者』深沢智哉にとって、この現実はまさに白昼夢。真実も、常識も、価値観も、全てが覆った世界の中で、求めるのはただ自らの「幸福」のみ。
    そして、彼が出会った人々もまた、それぞれの「幸福」を求めていて……。
    白昼夢の住人・深沢智哉と、彼を取り巻く優しい人々によって綴られる、現代SF連作。

  • シトラスムーン・ドリミンガール

    「夢は、いつか覚めるから夢だよ」
    橙の月が浮かぶ世界を旅する冒険者の紅蓮。目覚めぬ眠りについた少女を見守る雫。
    異なる世界に生きる二人が目の当たりにする夢と現実。もしどんな夢でも叶うなら、君は何を夢見るだろうか。
    二つの物語を結んで紡ぐ、ちょっと未来の「夢」を巡る長編ファンタジー。

  • さよなきどりはなかない

    おんなのこは何でできている?
    お砂糖とスパイス、それからすてきなものばかり!
    「わたし」と「女史」。 これは、温室のような学園に暮らす「おんなのこ」たちの、ものがたり。
    ……そう、言いきってよいものかは、わからないけれど。

霧世界報告

  • 空言ミストノーツ

    全てが「霧」から生まれいずる世界にて。
    世界の最西端、辺境の地で燻っていた「俺」……最強最速の翅翼艇『エアリエル』を駆る「救国の英雄」ゲイル・ウインドワードは、遠い日に目指した「青空」の色を持つ人工霧航士、セレスティアと出会う。
    新たな相棒との日々と迫りくる過去、そして霧の向こうの「青空」とは。
    真と偽の果て、青空目掛けて霧裂く空戦SFファンタジー。

  • 霧世界報告

    ゲイル・ウインドワードにとって、飛ぶことは歌うことと等しい。
    霧裂く双翼は天蓋の向こうを目指し、亡霊は戦乙女の耳元で囁く。
    霧満ちる世界に生きる人々を描いた、異世界SFファンタジー掌編連作集。

  • 彷徨舞弄のファンタズム

    その海峡では、霧上艇や飛空艇がことごとく姿を消すという。
    嵐に呑まれて辿り着いた先は、継ぎ接ぎの幽霊船。漂流者の少女を歓待するのは、頭の螺子が緩んだ幽霊船長。
    歪な日々は、いつか終わりを告げるとわかっていても、どうか。どうか、今だけは――。
    狂気と愛の行方を描く中編ファンタジー。

  • 談話室の飛ばない探偵たち

    「私」はある日、談話室で同期のアーサーとゲイルが新聞とにらめっこしている、という奇妙な状況に出くわす。
    どうやら、彼らは今首都で起こっている『脳無し』猟奇殺人事件をネタに、不謹慎にも「推理ゲーム」に興じているようだった。
    そして、私もこの不可解な事件を前に安楽椅子探偵の真似事をすることになるが……。
    高機動戦闘艇「翅翼艇」で魄霧の海を舞う女王国海軍の特殊部隊員「霧航士」。
    彼らにも、こんな「何でもない」日はあるのだ。
    霧深きファンタジー世界を舞台にした、なんちゃって安楽椅子探偵会話劇。

  • 錯綜レトロスペクト

    ここではない世界。万物の根源が「霧」である世界。
    女王国首都の雑誌社に所属するネイト・ソレイルは、今日も怠惰で奇矯な作家カーム・リーワードの首根っこを引っ掴んで仕事をさせる。
    そうでないと、きっと、誰の手も届かないどこかに行ってしまうから。
    大事なことを、全部、全部、取り落としてしまうから。
    女神歴九六九年、帝国との戦争が終わって五年。
    これは、落ち着きのない作家先生と、そんな作家先生と追う新米担当編集者の他愛のない日常の物語。

  • はらわたの散歩者たち

    女王国首都の地下には、『獣のはらわた』と呼ばれる不思議な迷宮が広がっている。
    『はらわた』の案内人を自称する半人半樹の男『ヤドリギ』は、今日も物好きな来訪者を相手取る。
    希少な宝石だけを狙うことで知られる美貌の女怪盗。
    『はらわた』に生息する怪生物を「食す」ことを目的とした男。
    そして、女優を志し自らの足で歩んでゆこうとする少女。
    やがて『ヤドリギ』自身の日々も、少しずつ変化しようとしていた。
    異形の男『ヤドリギ』と彼に関わる人々を巡る連作短編集。

  • レイニータワーの過去視

    「ごきげんよう、叔父さま」
    霧深き女王国の果ての果て、雨の止まない土地にて。
    監獄塔『雨の塔』の面会室で「私」が出会ったのは、姪を名乗る少女アレクシア。
    彼女は完璧な笑みを浮かべて言う。
    「叔父さまの知恵を借りたい」――と。
    犯罪者の「私」と面会者のアレクシア。
    本来なら交わるはずのない二人による、安楽椅子探偵ミステリもどき。

  • 霧世界余録

    例えばそれは少年の頃の思い出。例えばそれは女王国の「英雄」たちの知られざる日常。例えばそれは戦後を逞しく生きる人々。
    霧満ちる世界に生きる人々を描いた、異世界SFファンタジー掌編連作集。
    (綺想編纂館(朧) (@Fictionarys)様提供のお題を使用しています)

終末の国から

  • 音律歴程

    『魔法使い』バロック・スターゲイザーによる《大人災》より幾百年。
    滅びゆく世界を巡る『運送屋』の俺は、全身機械仕掛けの『何でも屋』シスルと変わらない日々を過ごす。
    幼馴染でトラブルメイカーの新聞記者、胡散臭い治安維持部隊隊長、ディスプレイの向こうで笑顔を振りまく歌姫、統治機関によって造られた最新鋭の兵器、それに、俺たちを残して消えてしまった赤毛の天才。ものを運ぶという仕事柄、色んな奴の事情を垣間見つつも、結局、俺は誰の物語にも関わることなく生きていくのだろう。特に理由もなく、そう信じていた。
    ――この手で抱いたこともなければ、どんな音を奏でるかも知らない、ある女の影がちらつくようになるまでは。
    時は、今から数百年ほど未来。舞台は、統治機関《鳥の塔》に管理される「終末の国」。人の心の音色を聞く能力を持つ『運送屋』藤見隼が垣間見た、「ひと」と「もの」にまつわる断片的な物語を綴る、SFファンタジー短編連作。

  • XXXの仮想化輪廻

    記憶喪失の青年ユークリッドは、見知らぬ部屋で目を覚ます。
    姿の見えない観測者ダリアは、彼との出会いを信じて語り掛ける。
    青年の記憶を取り戻すべく、聳える記憶の塔に挑む二人は、果たしてハッピーエンドを迎えることができるのか。
    これは、君に出会うためのRPG――風、長編SFファンタジー。

楽園年代記

  • 空色少年物語

    空の色を溶かした髪に、鏡のような銀の瞳。
    特別な色を持って生まれた少年セイルは、ある日空から落ちてきた真っ白な少女と喋るナイフに出会う。
    それは消えた兄を探す旅……そして『楽園』全土を揺るがす冒険の始まりだった!
    空色少年と凸凹な仲間たちが織り成す、大長編・異世界冒険ファンタジー。

  • アオイロソウビ

    少年が祭の中で出会ったのは、不思議な少女と彼女に付き従う黒い影。そして、少女を追う騎士だった。
    ――これは、奇跡の青い薔薇を求める少女と、彼女を巡る人々の物語。
    もしくは、「幸福」を目指す最初で最後の「航海」。
    一つの事件をいくつかの視点で描く、ボーイ・ミーツ・ガール・ファンタジー。

  • 机上の空、論。

    「飛んでみせるよ。誰よりも速く、誰よりも自由に……誰よりも、遠い場所へ」
    魔王イリヤの伝説が残る、ライブラ共和国学園都市リベル。
    空の夢に囚われている航空部員ブルーは、今日も天真爛漫な『空狂い』の部長に振り回される。
    聖ライラ祭、新学期の騒動、そして初代航空部部長の残した宝『机上の空』――。
    魔法に満ちた異世界『楽園』に生きる凸凹な少年二人と、青いひよこの四季を描いた、青春ファンタジー。

  • 反転楽園紀行

    「所詮、リセットのきかないゲームってだけだろ」
    ギャルゲーとバイクだけが友達の俺が飛ばされたのは、剣と魔法の『楽園』?
    異世界『楽園』に招かれた「俺」は、魔女を倒す勇者として、一振りのナイフを手に何もかもが手探りの旅に出る。
    「俺」の一人称で送る、夢も現の異世界召喚ファンタジー。誰が何と言おうとファンタジー。未完。

  • 不思議の国の紫苑

    「いつか、あなたの物語を聞かせてください」
    竜の腕で八弦琵琶を奏でる吟遊詩人――『紫苑の魔女』アリス・ルナイト。
    不老不死の魔女が歌うのはかつての楽園の物語、そして彼女の生きた道筋そのもの。
    矛盾に満ちた女神と魔法の世界『楽園』の歴史を語る、少しダークなファンタジー連作。

未来空想記

  • Planet-BLUE

    あと一年で滅びる地球。天文台に住まう男・ラビットは青い少女・トワと出会い、地球を「見る」旅に出る。

その他

  • シアワセモノマニア短編集

    サイト「シアワセモノマニア」で掲載している、ノンシリーズものの短めなお話をまとめています。
    ジャンルは話ごとにファンタジー中心にSF、現代、メタフィクション風など雑多。
    気が向いたら増えます。

  • 夢中分解ヘッドトリップ

    先輩刑事が殺された。バラバラにされて。
    事件の捜査に進展はなく、途方に暮れる薊ヶ原メイの前に転がっていたのは、しゃべる生首だった。
    「俺は、君とともに謎を解くためにいるのさ」
    一人と一級、奇妙な日常と不可解な事件の行方や、いかに。
    地に足つかない、つける足もない、凸凹バディのSFファンタジー・ミステリ。
    2023年11月の企画「#novel首塚」参加作。未完。