アイレクスの絵空事

「その頃の僕は十四歳で、塔の兵隊で、ある《種子》を運ぶ旅の途中だった」
僕……ホリィ・ガーランドは、相棒と一緒に、或る《種子》を連れて首都に向けて旅する。
そのみちゆきは、行きよりも、帰りの方がはるかに長い。
だから、きっとこれも、その頃の話。僕と君の、最初で最後の旅の記憶。
或る少年の記憶を綴る断片集。