『贋作 桜の森の満開の下』(2018)作・演出:野田秀樹※2021年4月18日の記録続きを読む贋作 桜の森の満開の下 | NODA・MAP 第22回公演https://www.nodamap.com/sakuranomori/インプットをしよう! という気持ちをもちもちと持て余しているあざらしですいかがおすごしでしょうか。というわけで今日は舞台『贋作 桜の森の満開の下』(2018)を観る機会を与えていただきました。ありがとうございます。ストーリーは、匠の弟子である耳男が、死んだ師匠の代わりにヒダの王様のところに赴いて、同じく匠を殺して成り済ます盗賊のマナコと謎めいた匠のオオアマと共に、王様の娘である夜長姫の16の誕生日目掛けて弥勒像を彫ることになるのだが……というおはなし、だと……思う……(自信がない)。演出がめちゃくちゃ面白い~!! 舞台の上を縦横無尽に走るピンク色のテープで画面のフレームを作って視線を区切ったり、屋根のイメージを浮かび上がらせたりと、その場面に合わせた世界を作り上げる感覚が……すごく美しいのですね……。これ、初見だけだとわからない部分もたくさんあるのだろうな~と思うのですよね! 何度も観たくなるなぁ~!あと舞台上の桜の花が圧巻だったな~物語の最初と最後を、満開の桜が結び付けてくれるのを感じる……。美しいからこそ何か恐ろしさを覚えさせる桜の花というもの、何だかそれだけで胸がぎゅっとするものを感じてしまうでありますよね。あと言葉遊びの多さに、一時も油断できる場面がないというか……! ちょこちょこ笑いでくすぐってくる場面もあるのですが、そうかと思えば言葉遊び自体がストーリーに食い込んできたりとかして……カニ……そして最後の最後に落とされる耳男の「まいった、まいった」の言葉に、夜長姫の声がリフレインして響くんですよね。こうやって、言葉を使うのか……と噛みしめてしまうんですよ。正直お話の筋書きをきちんと理解できた感じはしなくて(特に後半からラストにかけての怒涛の展開についていけてないですね……!)、でもラストの、桜の木の下で夜長姫を殺した耳男の背後で、オオアマの行列と鬼の行列が交錯する場面とか、何だかこう……感覚で見るだけでも感じ入るものがありますね。あとはやっぱり夜長姫の存在感がめちゃくちゃすごいなという感想につきますね……。少女でありながら鬼でもあるというか、その場にいてもいなくても物語を支配し続けているのは間違いなくこのひとなのだろうな、というのが舞台を通してわかる。あの声の使い分けもすごいんですよね……。すごく耳に残る声をしていて……。だからこそあの幕切れもほんと美しいんですね。果たしてそこにいた(そして消えてしまった)のは夜長姫だったのか鬼だったのか、そのどちらもであったのか。正直なところ読み取れてない部分が多いので後で感想行脚行かないといけないな~と思ってはいるんですが、それはそれとして美しく、すさまじく、印象に残る舞台でありましたね……。畳む 2022.6.2(Thu) 11:20:50 舞台 edit
作・演出:野田秀樹
※2021年4月18日の記録
インプットをしよう! という気持ちをもちもちと持て余しているあざらしですいかがおすごしでしょうか。というわけで今日は舞台『贋作 桜の森の満開の下』(2018)を観る機会を与えていただきました。ありがとうございます。
ストーリーは、匠の弟子である耳男が、死んだ師匠の代わりにヒダの王様のところに赴いて、同じく匠を殺して成り済ます盗賊のマナコと謎めいた匠のオオアマと共に、王様の娘である夜長姫の16の誕生日目掛けて弥勒像を彫ることになるのだが……というおはなし、だと……思う……(自信がない)。
演出がめちゃくちゃ面白い~!! 舞台の上を縦横無尽に走るピンク色のテープで画面のフレームを作って視線を区切ったり、屋根のイメージを浮かび上がらせたりと、その場面に合わせた世界を作り上げる感覚が……すごく美しいのですね……。これ、初見だけだとわからない部分もたくさんあるのだろうな~と思うのですよね! 何度も観たくなるなぁ~!
あと舞台上の桜の花が圧巻だったな~物語の最初と最後を、満開の桜が結び付けてくれるのを感じる……。美しいからこそ何か恐ろしさを覚えさせる桜の花というもの、何だかそれだけで胸がぎゅっとするものを感じてしまうでありますよね。
あと言葉遊びの多さに、一時も油断できる場面がないというか……! ちょこちょこ笑いでくすぐってくる場面もあるのですが、そうかと思えば言葉遊び自体がストーリーに食い込んできたりとかして……カニ……そして最後の最後に落とされる耳男の「まいった、まいった」の言葉に、夜長姫の声がリフレインして響くんですよね。こうやって、言葉を使うのか……と噛みしめてしまうんですよ。
正直お話の筋書きをきちんと理解できた感じはしなくて(特に後半からラストにかけての怒涛の展開についていけてないですね……!)、でもラストの、桜の木の下で夜長姫を殺した耳男の背後で、オオアマの行列と鬼の行列が交錯する場面とか、何だかこう……感覚で見るだけでも感じ入るものがありますね。
あとはやっぱり夜長姫の存在感がめちゃくちゃすごいなという感想につきますね……。少女でありながら鬼でもあるというか、その場にいてもいなくても物語を支配し続けているのは間違いなくこのひとなのだろうな、というのが舞台を通してわかる。あの声の使い分けもすごいんですよね……。すごく耳に残る声をしていて……。だからこそあの幕切れもほんと美しいんですね。果たしてそこにいた(そして消えてしまった)のは夜長姫だったのか鬼だったのか、そのどちらもであったのか。
正直なところ読み取れてない部分が多いので後で感想行脚行かないといけないな~と思ってはいるんですが、それはそれとして美しく、すさまじく、印象に残る舞台でありましたね……。畳む